Contact Point Embassy(CPE)は、NATOが世界のパートナー国との関係を支援するため1990年代初頭より開発してきたネットワークです。NATO加盟国の大使館がCPEを交代で務め、ベルギー/ブリュッセルのNATO本部と密接に連絡を取りつつ、コミュニケーションならびにアウトリーチ活動支援拠点の役割を担います。CPEの任期は2年(最長更新4年)。
NATOと日本は、サイバー防衛、技術革新、海洋安全保障など、世界規模の多様な安全保障上の課題に共同で取り組む一方、インド太平洋地域におけるパートナーシップという枠組みでも緊密に連携しています。世界の安全保障環境が複雑化するなか、欧州・大西洋とインド太平洋の安全保障はますます不可分となっており、日本とNATOはルールに基づく国際秩序の維持・強化に向けて、政治対話と実務協力の拡大を進めています。
- 日本は、オーストラリア、韓国、ニュージーランドと共に、インド太平洋地域におけるNATOのパートナーです。インド太平洋地域の動向は、欧州・大西洋の安全保障に直接的な影響を及ぼす可能性があることから、この地域はNATOにとって重要な意味を持ちます。
- NATOと日本は、1990年代初頭以来、対話と協力を継続しています。
- NATOと日本は2013年4月に共同政治宣言に署名し、協力を強化していく方針を明確にしました。2014年からは、NATO・日国別パートナーシップ・協力計画(IPCP)を通じて具体的な連携を開始しました。現在の協力活動は、2023年7月に共同合意した「国別適合パートナーシップ計画(ITPP)」に基づいています。
- 2025年1月には日本がNATO日本政府代表部(実館)を開設し、政治対話の機会がさらに広がりました。
- NATOと日本の実務協力は、サイバー防衛、海洋安全保障、人道支援・災害救援、核不拡散、科学技術、人間の安全保障、女性・平和・安全保障など、幅広い分野に及んでいます。
- 日本は2022年にロシアがウクライナに全面侵攻した当初から、ウクライナの自衛権を一貫して支持してきた。この姿勢はウクライナに対する二国間支援にとどまらず、NATOの「ウクライナのための包括的支援パッケージ 」への拠出にも表れています。
政治対話
- 2021年にベルギーのブリュッセルで開催されたNATO首脳会合において、加盟国はNATOと既存のパートナーとの対話と実務協力を拡大することで合意しました。このパートナーには、日本を含むインド太平洋パートナーも含まれる。このコミットメントは、2022年に採択されたNATOの基本政策文書「戦略概念」でも再確認されました。
- ロシアによるウクライナへの侵略戦争、同戦争における北朝鮮からロシアへの兵力と武器の提供、中国とロシアの戦略的パートナーシップの深化など、グローバルな安全保障環境が一層複雑化するなか、NATOは日本を含むインド太平洋パートナーとの連携を深めています。
- 2022年6月、スペインのマドリードで開催されたNATO首脳会合に、他のインド太平洋パートナー(オーストラリア、韓国、ニュージーランド)の首脳と共に日本の首相が初めて参加しました。日本はその後、2023年7月にリトアニアのビリニュスで開催されたNATO首脳会合にも参加し、首脳レベルの会合に出席しました。さらに2024年7月、米国ワシントンで開催されたNATO首脳会合にも、他のインド太平洋パートナーと共に参加しました。この会合では、NATO加盟国とインド太平洋パートナー間の実務協力がさらに強化され、ウクライナに対する軍事医療支援、サイバー防衛、偽情報対策、テクノロジー(人工知能など)の4分野を対象とした新たな旗艦事業が立ち上げられました。
- 日本は2020年12月のNATO閣僚級会合への初参加を皮切りに、2022年以降はNATO外相会合にも定期的に参加している。2024年10月には、日本の防衛大臣がNATO国防相会合に初めて参加しました。
- 日本はブリュッセルのNATO本部で開催されている、NATO加盟国とインド太平洋パートナー(日本を含む4カ国)の大使級会合にも参加している。サイバー防衛、テクノロジー、ハイブリッド脅威は、最近の主な議題となっています。
主な協力分野
日本とNATOの協力関係は互恵的なものであり、安全保障上の共通の課題に幅広く取り組んでいます:
- サイバー防衛:日本は、NATOのサイバー防衛演習「Cyber Coalition」と「Locked Shields」に参加しました。日本はエストニアのタリンにあるNATOサイバー防衛協力センター にも貢献しています。
- 人道支援と災害救援:2023年にトルコで発生した大地震では、NATOが被災者を支援するために調整した空路による援助活動に日本が参加し、数百張のテントやその他の物資をトルコへ空輸しました。これは、日本の自衛隊とNATOが連携して実施した初の国際緊急援助活動となりました。
- 新しいテクノロジー:2020年以降、日本はNATO科学技術機構(STO)の「科学技術強化パートナーシップ」に参加しています。このパートナーシップは、NATOが先端科学技術分野における共同研究開発を促進するために設立したものです。日本は、NATOのパートナーであるオーストラリア、韓国、スイス、ウクライナと共に、NATO科学技術理事会にも参加しています。同理事会は、NATOの共同科学研究に戦略的指針を提供するとともに、医療、センサー技術、サイバーセキュリティ、推進・電力システム等の分野で共同研究開発プロジェクトに取り組んでいます。
- NATOの「平和と安全保障のための科学(SPS) 」プログラムには、日本の科学・学術コミュニティも参加しており、特に先端技術、テロ対策、安全保障の人的側面、地雷・不発弾の探知・除去の分野で積極的に活動している。現在は、主に新興技術や破壊的技術、バイオテクノロジーが防衛・安全保障に与える影響、エネルギー安全保障の分野で連携しています。
- 海洋安全保障:日本は長年にわたり、NATOと海洋安全保障に関する協力関係を築いてきました。2022年と2024年には、地中海において日本の海上自衛隊とNATOの海上部隊が共同訓練を実施し、2018年にはバルト海でも同様の訓練を行いました。また、日本はNATO海上司令部に連絡官を派遣しています。
- 信託基金:日本は、NATOがさまざまなパートナー国で実施している信託基金プロジェクトにも多額の拠出を行ってきました。最近ではNATOの「ウクライナのための包括的支援パッケージ 」への拠出等を通じて、同国への支援を強化している。この他、日本はアフガニスタンとタジキスタンにおける弾薬の備蓄管理と物理的安全性の強化、モルドバ共和国における有害農薬の在庫処理、ジョージアにおける弾薬庫の除去、アゼルバイジャンにおける汚染土壌の浄化等を目的としたNATOの信託基金にも多額の拠出を行いました。
NATOが主導する作戦やミッションの支援
- 日本は、アフガニスタンにおける国際治安支援部隊(ISAF)の活動だけでなく、アフガニスタン全体の復興・開発活動も支援してきました。2012年7月には、アフガニスタンに関する東京会合 を開催し、国際社会にアフガニスタンへの支援を呼びかけました。日本はアフガニスタンを支援するため、2009年から2013年までの5年間に総額50億米ドルの支援を提供することも表明しています。それ以前にも、アフガニスタン平和・再統合プログラム(APRP) を通じて、日本は元戦闘員の武装解除・動員解除・社会復帰、および反政府勢力の再統合を支援してきました。また、アフガニスタン各地で草の根レベルの人間の安全保障プロジェクト等を支援したほか、NATOのアフガニスタン国軍(ANA)支援信託基金に拠出を行いました。
- 1990年代には、日本はバルカン地域の安定化にも一定の役割を果たしました。同地域では1990年代半ば以降、NATOが複数の平和支援作戦を展開しており、日本は主要なドナー国として、バルカン地域の復興と欧州主流社会への再統合の実現に貢献しました。
ノルウェーは北大西洋条約機構(NATO)の創設メンバーとして、1949年4月4日ワシントンにおける北大西洋条約の調印以来、NATOに積極的に参加してきました。
ノルウェーは加盟国と共に、NATOの今日までの発展に積極的な役割を果たしてきました。その発展は継続的な改革のプロセスであり、NATOは21世紀の安全保障環境の変化に適応し続けています。
NATOノルウェー代表部はノルウェー外務省と国防省の職員により構成されます。ノルウェーを代表し、北大西洋理事会ならびにその他の他同盟の意思決定機関に出席することを任務に、他の加盟国と共に、NATOの政策・プログラム・活動を策定し実施します。ノルウェー代表部はまた、ノルウェーの外交・防衛政策のあらゆる分野に関係する、NATOの構造的および政治的な動向や活動をフォローしています。
>> Norway and NATO (Permanent Delegation of Norway to NATO)