ニールス・ヘンリック・アーベルは数学界に傑出した足跡を残し、その功績はインターネットの発展など多くの主要技術進歩の基盤ともなっています。アーベル賞は、彼の生誕 200 周年を記念して2002 年にノルウェー議会 (ストーティング) によって創設されました。
受賞者は、ノルウェー科学文学アカデミーにより、世界的数学者で構成される国際委員会の推薦に基づいて選定されます。賞金は750万ノルウェークローネ。毎年5月にオスロ大学の講堂で開催される授賞式で国王より表彰され、オスロ大学で記念講演を行なうのが恒例となっています。授賞式の前後はアーベル週間(The Abel week)と銘打ち各種関連イベントが計画されます。
ニールス・ヘンリック・アーベル
Niels Henrik Abel (1802 - 1829)
ノルウェーの数学者。早くから非凡な数学の才能を発揮し先駆的な貢献を残しました。そのうち最も有名な成果は、一般的な五次方程式を解くことが不可能であることの証明です。これは当時250年以上未解決とされた重要な課題のひとつでした。また楕円関数の分野の革新者であり、アーベル関数でも知られます。アーベルは貧苦を極めた生活のなかでこれらの発見を行い、26歳の若さで結核で亡くなりました。没後その功績が高い評価を受け、数学界で確たる地位を築きました。
