ムベンベ氏は、アフリカ大陸において最も著作が読まれ、引用されている研究者の一人であり、40年にわたるアフリカの歴史と政治、ポストコロニアル研究における先駆的な研究が評価され今回の受賞となりました。研究者・知識人として、植民地主義や脱植民地化に関する既存の考え方と、現代の移民制度、グローバル公民権、返還と償い、テクノロジー、気候変動、地球全体としての未来といった差し迫った問題との橋渡しをする卓越した才能で名を馳せています。
批評理論家としてのムベンベ氏のグローバル秩序に関する考察は、ポストコロニアリズムに関する議論をはるかに超えて、不朽の足跡を残しています。とくに「ネクロポリティクス」、「呼吸する普遍的権利」、「地上の共同体」といった概念を通して、人種差別化された世界における認識と修復、ケアと尊厳のための継続的な闘争を語っています。フランス語の原文で書かれたムベンベ氏の著書や数多くの論文は、17カ国語に翻訳されています。
ホルベア賞について
ノルウェーの作家ホルベアの名を冠するホルベア賞 は、芸術・人文科学・社会科学・法律・神学各分野への関心を高めることを目的に2003年にノルウェーで創設されました。これらの分野の地位を向上させ、若者の研究への意欲促進にも貢献しています。本賞はノルウェー教育研究省のもとベルゲン大学によって任命された理事会によって運営され、賞金は600万ノルウェークローネ相当です。