ノルウェーの経済と産業

ノルウェーの繁栄は自然資源の責任ある管理が基盤となっています。現在、ノルウェーの産業界は研究機関と緊密に協力しながら、多くの分野で世界有数のテクノロジーを開発しています。

写真: Ilja C. Hendel

ノルウェーは豊かな自然資源を活かし国際競争力を培ってきました。石油、天然ガス、水産物や、生産に多量の電力を必要とする工業製品はノルウェーの主要な輸出品です。ノルウェーの海域は陸地面積の6倍の広さがあり、海洋関連産業はノルウェーの価値創造の総額の40%近く、輸出の70%を占めています。

現在ノルウェーでは、北極海域における海運、大陸棚での石油生産、豊かな水産資源の持続可能な管理などの分野で、最新技術を活用した環境にやさしく持続可能なソリューション開発に取り組んでいます。その結果、ノルウェー企業はそれぞれの分野で世界をリードする存在となっています。

好調な経済、柔軟な産業界、責任ある資源管理

産業界が環境の変化に柔軟に適応し、政府も企業優遇政策をとってきた結果、ノルウェー経済は何年にもわたり好況を保っています。潤沢な石油・天然ガス収入の大部分は、政府系ファンド「政府年金基金グローバル」に組み込まれています。将来石油が枯渇した場合もファンドが十分な利益をあげるよう、国民のために運用・管理されています。

Salmar logo - 写真:Salmar

ノルウェーは水産養殖など海洋分野で世界有数の専門知識を有しています。その知識を活かして、世界初の外洋養殖用いけす「Ocean Farm 1(オーシャンファーム1)」が開発されました。

Telenor logo - 写真:Telenor

通信企業 Telenor(テレノール)は、モバイル技術先進国ノルウェー国内で先進的ユーザーにサービスを提供してきた経験を活かし、国際的な地位を築いています。

dnv gl logo - 写真:dnv gl

認証サービス企業 DNV GL は、その高い専門技術で顧客の信頼を獲得し、現在は世界100ヵ国以上で事業を展開しています。

信頼と協力

小規模でオープンなノルウェー経済の発展には、国際的な協力が不可欠です。ノルウェー人の働き方の基盤は、協力と平等を重視する姿勢に支えられています。ノルウェーでは政治においてもビジネスの分野でも立場を越えたオープンな環境が整い、世界が求める革新的なソリューション創出を後押ししています。今後、確実に持続可能な成長を遂げるためには、信頼と協力が鍵となります。

Yara birkeland boat - 写真:Yara

ノルウェーは船舶の電化において世界をリードする役割を果たしています。「YARA Birkeland(ヤラ・ビルケラン)」号は世界初の自動航行貨物船です。100%電動の船舶で、温室効果ガス排出をゼロに抑えました。

Norwegian sushi

ノルウェーの養殖サーモンは、日本のすし食材としても定着し確かな地位を築いています。毎日約1,400万食ものノルウェーサーモンを使った料理が世界中の食卓にのぼっています。

Blueye pioneer - 写真:BLUEYE ROBOTICS

ドローンの分野の新たなスタンダードとなる小型水中ドローン「Blueye Pioneer(ブルーアイ・パイオニア)」は、強い潮の流れや荒れた海などの悪条件に耐えられるよう、ノルウェーの起業家と研究者によって開発されました。飛行機の機内持ち込み用バッグにも入る大きさです。