エネルギーと海洋資源
世界の人口増加により、食料とエネルギーの需要も増大します。この状況に伴う数々のグローバルな課題や問題を解決するためには、持続可能な海洋資源の利用が重要です。
長い海岸線と広大な海域をもつノルウェーには、エネルギーと海洋資源に関する知識が蓄積されています。ノルウェーでは、再生可能な水力発電、領海域内の水産物や石油・天然ガス、さらに開発途上国における漁業やエネルギー分野の支援など、天然資源の持続可能な利用に役立つ技術やノウハウが開発されてきました。
海は生命にとって必要不可欠な資源の宝庫です。海洋に関する知識を次世代に継承し、「ブルーエコノミー」の健全な成長を達成するために、持続可能な資源利用の方法を確立することが必要です。そのために、世界共通の高い環境基準に取り組む努力が求められます。
2017年、ノルウェー政府は新たな海洋戦略を発表しました。海洋国家ノルウェーの歴史を原点に、海洋の持続的な利用と開発を重視した戦略です。
目標
- 信頼かつ持続性のある近代的なエネルギーを、適正な価格で、すべての人々に確実に供給
- ノルウェーが持つ知識とノウハウを共有することにより、世界のエネルギー需要に対応できる解決策を探る
- 良好に機能するエネルギーの世界市場、グローバルなエネルギー供給、および欧州のエネルギー安全保障の確保
- 国内外の海洋法及び環境規制の効率的運用
- 海洋資源の持続可能利用による「ブルーエコノミー」の価値創出
輸出の40%以上を占める石油・ガス
2015年度の石油・天然ガスの輸出額は約4500億ノルウェークローネで、ノルウェーの総輸出の40%に相当します。
「発展のための石油」プログラム
ノルウェーは持続可能な経済成長と福祉の充実のために、石油資源を長期にわたり管理してきました。この経験を、支援プログラムを通じて12ヶ国と共有しています。
大規模な水力発電の国
ノルウェーの水力発電は欧州最大で、世界第6位です。
ノルウェーの取り組み
- 食料およびエネルギー源としての海の重要性を周知
- エネルギー資源、海洋資源を持続可能な方法で利用
- 持続可能な資源利用と解決策の開発
- 持続可能かつ包括的な海洋資源の管理のための知識と経験の集積
- マイクロプラスチックごみ、海洋ごみ対策における主導的役割
未発見・未開発の資源
広大な世界の海洋領域には未調査・未発見の資源が多く存在し、将来的に鉱物等を供給する可能性を秘めています。
海のプラスチックごみ
海のプラスチックごみの増加が海洋生物に与える影響は深刻な課題です。
3600万人分のシーフード
ノルウェーの2015年度の水産物輸出量は、1日平均3600万人分の食事に相当します。
関連リンク
国際エネルギー機関(IEA)は、代替エネルギー、合理的なエネルギー政策およびエネルギー技術の分野における多国間協力を振興・展開しています。IEAの加盟国は26ヶ国です。
長年にわたりノルウェーでは、持続性ある経済成長と福祉の促進につながる方法で石油資源管理が行われてきました。この経験を「発展のための石油」プログラムを通じて12ヵ国と共有しています。